【映画 モーリタニアン 黒塗りの記録をプライムビデオで堪能する】衝撃の事実を見逃すな!

映画

疑わしきは罰せずを貫けるのか、正義とはなにか、法とはなにかを突きつける映画『モーリタニアン 黒塗りの記録』

を今回は褒めまくっていきたいと思います!

概要

2015年、全米が驚愕した。アメリカ政府による検閲で多くが黒く塗りつぶされた、ある男の〈手記〉が出版されたのだ。しかも筆者の男はその時、アメリカが設置したキューバのグアンタナモ米軍基地に収容されていた。異例尽くしのこの本は、またたく間にアメリカで大ベストセラーを記録し、その後、世界20か国で刊行された。
どうしても、この手記を映画化したいと切望したのが、『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でアカデミー賞とゴールデングローブ賞にノミネートされ、名実ともに英国俳優の頂点に躍り出たベネディクト・カンバーバッチ。自身の製作会社でプロデューサーに専念するはずが、出来上がった脚本に感銘を受けて出演も望み、遂に歴史と国家の闇を暴く問題作を完成させた。
ナンシーには、『羊たちの沈黙』でアカデミー賞、ゴールデングローブ賞を受賞してハリウッドのトップ俳優を極めた後、監督・プロデュース業でも目覚ましい活躍を見せているジョディ・フォスター。情に流されず常にクールだが、心の芯は人間味にあふれたナンシーを堂々たる存在感で体現し、本作でゴールデングローブ賞を受賞した。モハメドゥには、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した『預言者』の主演で、セザール賞に輝いたタハール・ラヒム。どんな辛苦の中でも他者を許すモハメドゥの人間としての威厳を全身で表現し、ゴールデングローブ賞にノミネートされた。カンバーバッチが扮したのが、スチュアート中佐。パイロットの親友がハイジャックされた機に搭乗していたという怒りと悲しみを抱えながら、法律家としての正義を貫く中佐を清廉に演じた。ナンシーのサポートをする未熟だが真っすぐな弁護士テリー・ダンカンには、『ファミリー・ツリー』でゴールデングローブ賞にノミネートされたシャイリーン・ウッドリー。
監督は、ドキュメンタリーに定評があり『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』でアカデミー賞ドキュメンタリー長編賞を受賞し、『ラストキング・オブ・スコットランド』でも高く評価されたケヴィン・マクドナルド。

あらすじ

2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はアフリカのモーリタニア出身、モハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)の弁護を引き受ける。9.11の首謀者の1人として拘束されたが、裁判は一度も開かれていない。キューバのグアンタナモ収容所で地獄のような投獄生活を何年も送っていた。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。時を同じくして、テロへの“正義の鉄槌”を望む政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。真相を明らかにして闘うべく、両サイドから綿密な調査が始まる。モハメドゥから届く手紙による“証言”の予測不能な展開に引き込まれていくナンシー。ところが、再三の開示請求でようやく政府から届いた機密書類には、百戦錬磨のナンシーさえ愕然とする供述が記されていた──。

感想

とにかく衝撃の内容でした。グアンタナモ収容所での出来事を中心に描いているのですが、これが実話と言うのがいつの時代なんだと思わず感じてしまうほどの収容内容をリアルさとフィクション演出で見れるものにしてくれています。それでも拘禁中の演出には敢えてか凝視していられないような演出もあり、とても映像にはできないような内容をライトな演出として盛り込んでいるので、エンターテイメントととして楽しめるものになってるのだと感じました。

法の下では全てが平等というところからテロ容疑の人物ですら弁護する主人公ナンシーは、テロ擁護のレッテルを貼られながらあくまでも法の下に戦っていく様が実に勇ましいのです。

疑わしきは罰せずを破ってしまうほどの、アメリカのテロ行為に対する正義の鉄槌を下す気持ちもわかりますし、正義とは悪とはどこに境界線があるのだろうかと思わず考えてしまいます。

そんなアメリカ側にも良心はやはりちゃんとありました。スチュアート中佐はスラヒの死刑判決を勝ち取るために調査を開始しますが、あくまでも法の下において処すことを徹底しますし、スラヒを拘禁しているスタッフの中にはスラヒと微笑ましいやり取りをしたり情報を教えたりするスタッフもおり、スラヒの人柄を示すかのような演出もとても良かったですね。

内容はとても重いものですが、豪華俳優陣の演技は迫真もので惹き込まれますし、最後の最後まで展開は読めませんよ!

褒めポイント

  • 事実に基づくリアルな演出
  • 迫真の演技
  • ジョディ・フォスターとベネディクト・カンバーバッチ
  • スラヒのキャラクター性

事実に基づくリアルな演出

事実に基づいて映画は製作されていますので、過度な演出はほとんどありません。淡々と話は進むのですが、それがまたリアルなんですよね。リアルだからこそ息を呑むような気持ちになるシーンも多く、また裏腹に安堵できるシーンではおもわず安心してしまうくらいの没入感を得られる演出となっています。

唯一、拷問シーンのみフィクションの演出を採用していますがやはりこれは現実の方が過激だったのだろうと想像がつきますね。

メリハリのある演出

リアルな演出をよりエンターテイメントとして昇華させるのはメリハリですね。リアルな演技となるとどうしても淡白なシーンが増えてしまいますので裏を返せばメリハリのない作品となってしまいます。

そこを緊迫したシーン、一息つけるシーンとメリハリをつけて緩急をつけることで飽きずに見続けることができます。基本的には次が気になるストーリーとなっているため緊迫したシーンが続く形となるので、合間に入るほっこりしたシーンやおどけたキャラによってメリハリがついています。

ジョディ・フォスターとベネディクト・カンバーバッチ

スラヒに関わるこの2人の存在が作品を面白くしているのは間違いなく、双方が法廷では争うはずの立場にいながら両者ともに法を遵守することでスラヒの立場を守ろうとするのが、立場は違えど共に立ち向かっていく様がかっこいいのです。

ジョディ・フォスター演じるナンシーは共に調査していたテリーに時には厳しくし、中立の立場を教えます。

ベネディクト・カンバーバッチ演じるスチュアート中佐はきちんとした理由がないと裁けないと上部に反抗します。

こう言った徹底した行動は時には理解されずに批判もされたり冷たい目で見られてしまったりしますが、それでも徹底して自分を貫き通す2人がとにかくかっこいいんですよ。

スラヒのキャラクター性

本作のキーとなるスラヒ。不当な理由で拘禁され続けることになるのですが、そんな中でも随所に見られる明るい性格にとても惹き込まれるのです。作中の演出かもしれませんが、拘禁しているアメリカのスタッフとも仲良くしているシーンもあり、そんな人物がテロになど関わっていないと思わせるようなキャラクター性が魅力的です。

最後の裁判シーンではそんな彼の魅力が詰まった声明がありますので、見逃せませんよ。

辛口残念ポイント

脇役の魅力がとてもあるので、それぞれの苦悩がもう少し描かれているとより作品のテーマに重みが増したのかなと感じましたね。

元々のテーマがかなり重いものですのでライトな構成にしているのはありがたくもありましたが、ナンシーサイドで言えばテリーの葛藤、スチュアート中佐サイドで言えば最後に手を差しのべるニールの決断などを描いてくれるとそれぞれのストーリーが重厚になったのではないでしょうか。

最後に

メッセージ性の強い作品ですが、簡潔にまとめているためとても見やすいです。

こういった負の出来事は中々率先して学ぼうとは思えないものですが、エンターテイメントと言う形で学べるのは賛否両論はあるかと思いますが個人的には大賛成ですね。

Prime Videoにはこう言った社会的作品もたくさんありますので是非ご利用ください!

コメント